磨けるところから磨く
磨けるところから磨く
ある系の総合的な能力を向上させたい場合、能力を構成する要素を分析て分割し、それら個々の要素の能力の程度を判断し、その中からどれを向上させるべきか、という流れで判断が進むことは少なくないと思う。その時に取れる考え方の一つに「磨けるところから磨く」というのがあるのかなと思う。
磨けるところから磨く作戦を選択した場合、まず、次に磨くべき対象要素がすぐに決定されるので、能力向上プロセス全体における意思決定のスピードが向上する。つまり総合的には作業時間が短縮される。次に、磨けるところから磨くということは、磨く方法がわかっているため、作業のロードマップが描きやすく、作業完了のイメージも描きやすい。したがって、作業時間は短めになり、クオリティは安定する。ここでも作業時間が短縮される。
面白いと思ったのは次の点で、磨けるところを一通り磨いてしまうと、磨けていない場所がわかりやすくなる。ある系が出す失敗や損失が、磨いていない要素に起因するものに偏ってくる。それはつまりどういうことかというと、「エラーやミスや損失の数は減ってきたけど、コレコレとかソレソレに関するものはあまり減っていない、いやむしろ増えてる気さえする。ここを対処すればさらに良くなること間違いなし。」というのが明確になってくる。
つまり欠点だらけの系の総合的な改善に着手しなければならない場合、「磨けるところから磨く」というというのはわりかし良い作戦なんじゃないかなと思った。
磨けるところから磨くメリット
- 「どれからやるか」がすぐに決まる
- 「どうやってやるか」が大体わかるから悩む時間が少なくて済む
- 「どこまでやれば良いか」が大体わかるから悩む時間が少なくて済む
- 上記により改善作業全体としてはスピードが上がり、クオリティが安定する
- 次のステージで改善すべき事項が浮かび上がりやすくなる
磨けるところから磨くのデメリット
- 本当に磨くべきところが、「一番磨きにくい、磨けない」ような要素だった場合、効果のある改善を後回しにしてしまい、最終的なゴールへの到達が遅くなるかもしれない。
- 比較的簡単な活動に終始してしまい、またそれにより達成感を得てしまって、より高度な活動をする意欲を失ってしまう可能性がある。
- 周りに何も考えていないと思われる可能性がある。
ちなみに系とは
ググれば出てきますがシステムのことで、複数の要素が複雑に絡まっていながらも一つの体を成して何かを行う何かのことです。
はてなブログのようなWebサービスも一つのシステムだし、人間も一つのシステムと言える。
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